骨粗鬆(しょう)症とは骨が構造上もろくなり、骨折しやすくなる病気です。
骨に含まれるカルシウムなどの量(いわゆる骨量)は若年期をピークに年齢とともに減少していきます。
それによって、例えば背骨がもろくなると、背骨が体の重みでつぶれたり、変形する圧迫骨折を起こしやすくなり、背中が曲がったり、姿勢が徐々に悪くなります。
また、姿勢が悪くなると、内臓への悪い影響(胸やけなど)を及ぼすことがあります。
骨粗鬆症は特に女性に多い病気といわれています
高齢女性を中心に年々増加しているのが特徴です。
患者様の8割は女性で、ホルモンの分泌バランスが変化する更年期以降の女性に多く、50歳前後から骨量が急激に減少し、60歳代では2人に1人、70歳以上になると10人に7人が骨粗鬆症といわれています。これは、女性ホルモン(エストロゲン)が骨の新陳代謝に関わっているからです。初期段階に自覚症状はなく、骨折して初めて気付く場合も少なくありません。
また、年齢や遺伝的な体質、偏食や極端なダイエット、喫煙や過度の飲酒、運動習慣なども骨粗鬆症の原因として考えられており、最近では若い女性の骨粗鬆症も増えています。出産後などに起こる場合もあります。
骨粗鬆症の診断について
骨密度測定器を使用して、骨成分を診断する方法とレントゲン撮影での骨密度測定を行っております。
どちらも、極めて少ないX線を使用するので、通常のレントゲン検査に比べ被曝量も少なく、痛みのない低侵襲な検査・測定方法です。
骨粗鬆症の予防について
まずは、なんといっても生活習慣を見直すことが大切です。
骨粗鬆症の原因には、年齢や性別、遺伝的な体質など、変えることのできない要素があります。
一方で、食生活や運動などの生活習慣を変えることで改善できる要素もあります。
- 骨粗鬆症の予防に特に重要なのはカルシウムの摂取ですが、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、骨が作られるのを助けるビタミンKや、同時に、タンパク質、ミネラルなどさまざまな栄養素を摂取することも大切です。
カルシウムの摂取には乳製品や小魚などを食卓にうまく取り入れるように工夫をしたり、市販のサプリメントなどを利用すると良いでしょう。
ビタミンK2が豊富に含まれている納豆も、骨粗鬆症の予防に取り入れたい食品です。
また、ダイエットなどで痩せすぎていたり、体重が軽い人は骨が弱い傾向にあります。
骨粗鬆症の予防には、標準的な体重を保つことも重要です。
- 喫煙は、胃腸のはたらきを抑え、カルシウムの吸収を妨げます。
特に女性の喫煙は女性ホルモンの分泌を減少させるのでおもいきって禁煙してしまうのも手です。
お酒には利尿作用があるため、飲みすぎると必要なカルシウムまで排泄されてしまいます。
そのうえ、腸からのカルシウムの吸収も妨げてしまいます。
- 日光の下でウォーキングやジョギングなどの運動を可能な限り毎日続けましょう。
骨に適度な圧力が加わり、骨が強くなります。
また、運動を続けると血液の流れが良くなるので、骨を作る細胞のはたらきが活発になります。
筋肉が鍛えられ、身体機能が鍛えられると、転びにくくなり、骨折の防止にもつながります。